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医師の交渉力

2009年6月 7日 00:42

奥野

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先日実習に来てくれた学生さんが、
私たち医師の交渉力に着目し、
「自分も交渉力を身につけたい」と言っててくれました。


医師にとって、交渉は日常的です。


患者さんの希望や想いと医師の意見が違う場合、
看護師さんに何かをお願いするとき、
ケアマネージャーさんとのやりとりや患者さんの御家族様とのやりとり、
病院に救急対応や入院をお願いするとき、
などなど、交渉が発生する場面は多々あります。

所長となると、
この上に法人内部の各部署との交渉、
法人外部の人たちとの交渉など、
さらに交渉の場面は多くなります。


私が心掛けている交渉の原則は"Win-Win"です。
つまり、どちらかが得をしてどちらかが損をする(Win-LoseやLose-Win)
のではなく、互いに利益が得られる一致点を見つけることです。


Win-Winに至るために、私が意識しているのは、
以前ご紹介した"LEARNのアプローチ"です。

Listen(聴く)
Explain(説明する)
Acknowledge(相互の違いを認める)、
Recommend(提案する)
Negotiate(交渉する)

の頭文字をとって"LEARNのアプローチ"です。


私は中でも、ListenとAcknowledgeがポイントだと思っています。
相手の言葉や様子に注意を払い、相手が何を求めているのか、
何が言いたいのかを極力正確につかみ取ることが、
その後の交渉を進めていく上で何より重要だと考えています。

そして、自分とは違った考え方や価値観もあるのだと、
相手のことを認めてあげること、
すなわちAcknowledgeがあってこそ、
Win-Winになれる道を互いに探っていけるのだと思います。


補足をしますと、
交渉に至るステップは、必ずしもLEARNの順番でなくてもいいということです。
最初はこちらの意図をExplainするところから始まることもあります。
しかし、その後に必ず相手の言葉に耳を傾け、
相手の考えや価値観、互いの違いを認めるステップを踏みます。

「なるほど○○さんは、こういう風にお考えなのですね」
「そのお気持ちは私も理解しました」
と、相手を受け入れ、認めたことを言葉で示します。


交渉がうまくいったと感じるときは、
大体このListenとAcknowledgeがうまくいったときです。

逆にこちらの考えや意見を一方的にExplainしたときは、
しこりを残すことが多いです。
医師であるがゆえに強権的になってしまうこともあり、
反省することもあります。


完璧をもとめる必要はないと思いますが、
出来るだけWin-Winな関係を築けるように、
今後も意識的に交渉に取り組んでいきたいと思います。

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