ALS(筋萎縮性側索硬化症)に関する講演会のご報告
3月7日、湯浅龍彦先生をお招きしての講演会「今、ALSにどう向き合うか」に出かけてきました。(出雲徳州会病院さん主催)
湯浅先生は現在鎌ヶ谷総合病院千葉神経難病医療センター長をされており神経難病臨床の第1人者の先生です。
講演の内容は
ALSの病態から、患者さんご家族が直面する様々な困難、社会的支援や法整備にいたるまで、幅広くにわたりました。
(湯浅先生は松江出身で、ご趣味の”神社”の話も交えつつの興味深いお話でした!)
患者さんの視点を大切にしておられるお人柄が随所に感じられる講演で、とても引き込まれ、2時間があっという間でした。
印象に残ったところ2つだけピックアップしてご報告します。
■目の前の患者さんから出発する
今の日本の医療・介護システムはまだまだ不十分で、ALSが進行してくると自宅での生活は多くの困難も伴います。
湯浅先生は、様々な制約の中で、「家で暮らしたい」というある女性の自宅での一人暮らし(!)を実現されたそうです。
胃ろうや気管切開があり昼夜介護が必要な状況での一人暮らし。
正直驚くとともに、十分なサポートがあれば実現できるんだ、と勇気づけられました。
「治療やケアは、常に目の前の患者さんから出発する」という先生の一貫したメッセージがとても印象に残りました。
そして「患者さんの生活や命を支えるためには、もっと医療、福祉、法整備を充実させなければならない」との熱い訴え。
在宅の現場で日々、そのことを実感しています。
同じ思いなのでしょう、会場のみなさんも深く頷いていました。
■「共に歩む」在宅のサポート
湯浅先生は”ALSとの告知は新しい人生のスタートである”と話されます。
それだけ生き方や価値観に大きく関わる病気だということです。
”いかに生きていくかを共に話し合い、共に歩むことがとても大切”と。
家での生活を望まれるALS患者さんが増えているそうです。
患者さんの日常を支え、人生を共に歩むのは、在宅スタッフなのだと先生の話から強く感じました。
*筋萎縮性側索硬化症(ALS)
身体を動かすための神経系が変性する病気です。
神経の命令が伝わらなくなって筋肉が自分で動かせなくなり筋肉が縮みます。
進行性の病気で、現在原因不明。有効な治療法は確立されていない現状です。












在宅には、生きている実感や生きる意味を感じさせてくれるパワーがあるのだと思います。
私たちも、その生きている実感や生きる意味を共有できるようなケアをしていきたいですね。
そのためには、制度から出発するのではなく、目の前の患者さんから出発するという姿勢は、本当に大切だなと、私も思います。