正しい食い違い (Text by 藤原)

2008年3月 1日 15:26

奥野

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コメント(1)

医療において医学は絶対じゃない。

とか書くとヘンな誤解を招きそうだが、別にサプリメントや祈祷に効果があると言うわけじゃない。


例えば、狭心症を疑う症状があるけど病院には絶対に行かないと断言される在宅の方がおられる。

内科病棟にいたとき、不整脈があるので一番目が届くナースステーション横の病室に移りましょうと勧めても断固拒否される方がいた。

糖尿病や高脂血症の治療は食事療法と運動が根幹だけど、守れてない人は少なくない。

要するに、医学的に正しい選択と患者の選択が食い違うことがままあるってこと。
ここで患者さんを叱ったりしても意味はない。

病気の治療より大事なものがその人にはあるってことなんだから。

そりゃ人生も生活もあるんだからある意味当たり前。

医者にとって健康は目的かもしれないけど、患者にとって健康は手段かもしれないけど目的じゃないし。
いや、健康の概念がずれてるというべきか。

だからといって、ハイソウデスカゴジユウニ、では医師の仕事の意味がないような気もする。
いやそう言いたくなる時もごく稀にあるけど、それを言っちゃあおしまいよ。

その方のお話をよく聞くこと、予想される結果を伝えること、関係を作ること、選択肢の提示を続けることが大事になってくるのかなと思う。

Text by藤原(出雲市民病院初期研修医)

コメント(1)

奥野(大曲診療所長) :

とても共感しながら読ませていただきました。
患者さんの価値観を認めること、それでもなお、プロとしてその方の健康を大切に考えること、それが我々の仕事なんですよね。


【お知らせ】
何人かの読者の方から、質問を頂きました。
藤原先生は現在市民病院整形外科で研修中です。
このエッセイは、大曲での研修中に書きためていただいたものを、私(奥野)の気の向くままにアップロードしています。
藤原先生の、診療所研修編の完結まで残り5話。
引き続きご愛読下さいますようお願い申し上げます。

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